予想外の出会いから学んだ自分の目で見る大切さ

Sayo | Cambodia |2014.06

旅の動機

学生時代から負の世界遺産に興味があり、ポルポト政権の犯した大虐殺の博物館があることを知ったのがきっかけです。

Episode.1

人生を変える出会い

P:東南アジアは日本人旅人に人気ですよね。

Sayo:私も東南アジアにはよく行くのですが、タクシーなどのドライバーに騙されることが多くて、若干人間不信になっていました。カンボジアの旅でも初め現地のドライバー達に疑った目を向けていた自分がいました。

P:日本では考えられないことが自分の身に起こると、後から思えば小さいことでもその時は結構ショックだったりしますよね。

Sayo:そうですね。正直”ドライバー=お金を騙し取ろうとする人”みたいに思っていたのですが、カンボジアのシュムリアップで出会ったトゥクトゥクのドライバー達がそんな考えを変えてくれました。彼らは純粋に外国人である私を楽しませようと現地のことを教えてくれるだけでなく、冗談を言ったり、街中で会っても名前を呼んで手を振ってくれたりと本当に親切にしてくれました。

P:外国の人にとって日本人の名前って難しかったりするのに、名前まで覚えてくれるなんて嬉しいですね!

Sayo:本当に嬉しかったです。国や場所でそこの人たちを一括りに捉えてはいけないということを彼らは改めて教えてくれました。確かに、私を騙そうとした人たちがいたことも事実です。しかし、一方でたまたま会っただけの外国人にこんなにも親切に接してくれる人もいる。本当に大事なことに気づくことができました。

P:ひとつの出会いとか出来事でその国の人はこうだって決めつけてしまっている人はたくさんいますよね。

Sayo:だから、私は彼らのことをもっと多くの人に知ってもらいたいです。彼らと話している中で知ったこともあります。それは、彼らにとってトゥクトゥクは、日本人が家を買うのと同じような感覚で買うということです。それを聞いて、そこには夢も、悲しさも込められているんだと勝手に感じたのですが、だからこそこれからは彼らみたいに一生券面真面目に働いている人を応援していきたいと思いましたし、同時に、人を騙すようなドライバーは絶対に許さないと決めました。

Episode.2

昨日の敵は今日の友

P:旅の楽しさって現地での出会いに大きく左右されますよね。

Sayo:カンボジアでは本当にそのことを実感しました。実は、旅に出る前に愛犬を亡くし、どん底のペットロス状態での旅でした。正直、このまま死んでしまってもいいかなくらい、自分にはショックで、旅に出てからも、夜になると、宿で布団をかぶって泣いてたりもしてたんです。でも、気付いたら現地の人に親切にしてもらい、気付いたら笑っている自分がいました。思い返せば、今までの旅でも沢山の現地の人達に親切にしてもらい、今まで旅を続けてこられたことに気づかされました。カンボジアで出会ったトゥクトゥクのドライバーたちなんて、初めは以前の体験から自分の敵くらいに思っていたのに、お別れの時に、涙のお別れをするくらい、本当に大好きになりましたし、旅に出る前はそんな出会いがあるなんてもちろん思ってもいなかったので、凄く嬉しい出会いで、その分お別れは切なかったです。

P:とても素敵な出会いですね。もっといろんな方との出会いについて聞きたくなりました!

Sayo:話すとキリがないくらい本当にたくさんの方に出会えて、例えば、ストーカーから守ってくれた宿のご夫婦や、一緒に手を繋いで道を渡ってくれたおばあちゃんなど思い返すだけでも涙が出るくらい多くの人の親切に助けられてきました。こういった出会いで、旅と旅行の違いを感じましたし、旅がさらに好きになりました。

Episode.3

Killing Field

P:世界中の負の遺産を見ることがSayoさんの旅のテーマなんですよね?カンボジアでも見てきましたか?

Sayo:ずっと、いつか自分で行ってみたい場所のひとつだったのが、カンボジアのポルポト政権時代の大虐殺跡地でした。沢山の人々が殺戮されたキリングフィールドと呼ばれている場所だったり、普通の学校に造られた収容所だったりするのですが、カンボジアのあちこちにあります。

P:実際に自分の目で見た歴史の地はどうでしたか?

Sayo:元々、街中にある普通の学校なのでそこで虐殺が行われていたなんて信じられなかったです。ただ、それを見ながら、当時は学校内では目を覆いたくなるような虐殺があったにもかかわらず、外ではごく当たり前の日常が送られていたということを考えると恐怖を感じました。例えば、庭に咲いている花がとても綺麗だとか、空もとても綺麗なのに、人間だけが無残なことをしている。よく無関心も悪だと言うけれど、外の人達は無関心を装うほかなかったのかもしれない。ポルポト政権は悪と思いつつ、何もできずにいた人達は悲しかっただろうな。本当にいろんな思いがこみ上げてきました。殺される直前に撮られた沢山の人達の写真をみる機会もあったのですが、その時が、一番心が締めつけられる感じがしました。悲しそうな表情の人達はもちろん、なかには何が起こるか知らないようで笑顔の人もいて。やはり、実際に現地へ行ってみないと感じられなかったことはたくさんありました。それは、その場所を自分の目で見るということもそうですし、何よりもいまその場所に生きる人達と実際に話すことが自分の考えに大きな影響をもたらすと思います。

旅人

Sayo

日本語教師で、現地の人との交流が大好きなバックパッカー。長距離バスでの陸路移動がメインです。全世界の負の世界遺産を見て回るのが目標です。

私にとって旅とは

“素敵な出会いに満ち溢れたもの”

旅中は、体力的にも精神的にも、本当にしんどいことも多いけど、そんなことを吹き飛ばしちゃうくらい素敵な出会いがたくさんあって、日本にいるだけだったら、絶対に出会えなかった楽しい人達が世界にはたくさんいます。現地の人達はもちろん、海外で出会う日本人も変わった職業をしていたり、自分の親くらいかはたまたもっと上の世代の先輩が一人旅をしていたりと、これまた日本では絶対に出会ってないだろうし、話すこともなかっただろうなって思う出会いで、人生のお手本にしたいくらい素敵な人達ばかりなのです。そんな人達と過ごした思い出は、自分の人生を彩ってくれるし、世界中に「また会いたいなぁ」とか「元気でいて欲しいな」とか思える人達が増えて行くのが幸せだし、日本の日常の中でまた辛い事やうまくいかない事とかがあっても、出会った人達の笑顔を思い出したり、世界は広くて、色んな人がいて、色んな考え方があるって事を知っているだけで、なんだかまた頑張れる気がします。良い事も悪い事も、現地に行かなくては知らなかったって事が多いし、旅からは、受け取れることがたくさんあるからです。旅の中で出会った旅友が言っていたのですが、「旅は、辛い事も全部プラスになって返ってくるよ」って、本当にその通りだなと思います。一生、旅人でいたいなぁと思います。