嘘で知れた人間らしい自分

Sayo | India |2017.09

旅の動機

旅友たちから、インドに行ったら嫌いになるか好きになるかどちらかだけど、サヨちゃんは絶対好きになるとおすすめされたから。

Episode.1

言葉を教えるということ

P:現地のインド人に日本語を教える機会があったんですか?

Sayo:いえ、私が教えたわけではないんですが、インドのバラナシで出会った案内人との話なんです。多くの旅人からバラナシで騙された話なんかを結構聞いていて、注意はしていたのですが、声をかけられた案内人について行ったんです。

P:その人を選んだ決め手はなんだったんですか?

Sayo:そこまで悪そうな人ではないなって思ったんです。直感です笑。あまり深く関わらないようにしていたんですけど、色々と要求がエスカレートしてきて、お金をくれとか、あそこにいる貧しい母親たちに寄付をしろとか。そんなこともあって、彼を避け始めたのですが、そしたら彼の態度もどんどん悪くなっていきました。結果的には振り払えたのですが、別れ際に彼が私に言った言葉が忘れられないんです。

P:なんて言われたんですか?

Sayo:幼稚な下品で汚い日本語でした。正直、言われたこと自体は痛くも痒くもないんですが、そんな言葉を彼に教えた日本人に対して許せない気持ちになりました。

P:言葉を教えるということは、教わった人の周りに対しても影響を与えることですもんね。

Sayo:もちろんその人も意味をある程度知って使っているので悪いとは思うんですけど、その言葉を教えるということの意味とか考えずに教えた人はさらに罪深いなと思います。異国の地では、言語が通じなくて困ることも沢山あるけど、通じなくて生まれる楽しさもあって。だけど、せっかく覚えた自分の国じゃない言葉は、その人とその周りの人たちが笑顔になる為に喋ってほしいです。バラナシのちょっと悲しくなった出来事でした。

Episode.2

あからさまな嘘

P:旅をしていると多くの人と接する分、騙されることも多々ありますよね。

Sayo:そうですよね。もちろん、親切でいい人もたくさんいるんですけどね!バラナシでも最初に乗ったリクシャーのおじさんが早速騙してこようとしました。予約していた宿まで乗せてくれるように頼んだのですが、そこは悪い宿だとか、洪水で流されてもうないとか、見え見えの嘘をついてきたんですよ。結局はマージンのために知り合いの宿に私を泊めさせたかったことが判明したんですけど、別れるときにも”あの宿には気を付けろよ”って言われて。

P:その宿は本当に何かあったんですか?

Sayo:いえ、対応も親切なとても快適な宿でした。こういった人たちが、インド人=騙してくる、というようなインド人像を作り上げているのだなと改めて思いました。

P:そうですよね。いい人の話よりもそういったネガティブな体験談の方が帰国後の話のネタとしては盛り上がるってのもありますよね。

Episode.3

パワー溢れる聖地

P:Sayoさんは本当にインド好きなんですよね?笑

Sayo:はい、大好きですよ笑。バラナシという町は本当に世界の中でも、カオスって言葉がぴったりなくらいとても異質で、嘘つきなインド人も多かったけど、目に見える町の汚れとうまく並行するくらい、町全体から伝わってくるパワーが凄い町でした。24時間、火葬をしている町なので、道を歩けば、運ばれてくる遺体とすれ違うし、気を抜けば、悪そうなインド人が話しかけてくる。行く前に、旅友から、バラナシの町で死ぬことをインド人は憧れている聖地なんだよと教えてもらったのですが、まさにその通りで、生と死が渦巻いている凄いパワーのある町だなと思いました。

P:発展途上の国は本当に生きる力を感じますよね!パワーもらいましたか?

Sayo:はい、実際に私も喜怒哀楽を自然に出せるくらい、色んな感情にさせられて。でも、まさしくそれが生きるパワーだなと思うし、それを町からもらったなと思います。

神社とか、パワースポットと呼ばれる場所で、感じ方がよくわからない自分でも、パワーを感じられるくらい凄い町でした。

P:確かに海外にいると自分でも信じられないくらい日本にいる時の自分と違うなと思う瞬間がありますよね笑。

Sayo:私も普段はなかなか“怒”を出せないのですが、当たり前のように出せていました。リクシャーが決めた金額と違う金額を請求して来たので、気がつくと怒鳴ってました。インドでは男尊女卑社会なので、女性に怒鳴られると悪徳ドライバーもひるむからと、最初の宿でアドバイスしてもらって、その通りだったのですが、後から、自分は悪くないけど、怒鳴って申し訳なかったなと思ってしまったんで、やっぱり自分は日本人気質だなぁと思いました。

旅人

Sayo

日本語教師で、現地の人との交流が大好きなバックパッカー。長距離バスでの陸路移動がメインです。全世界の負の世界遺産を見て回るのが目標です。

私にとって旅とは

“素敵な出会いに満ち溢れたもの”

旅中は、体力的にも精神的にも、本当にしんどいことも多いけど、そんなことを吹き飛ばしちゃうくらい素敵な出会いがたくさんあって、日本にいるだけだったら、絶対に出会えなかった楽しい人達が世界にはたくさんいます。現地の人達はもちろん、海外で出会う日本人も変わった職業をしていたり、自分の親くらいかはたまたもっと上の世代の先輩が一人旅をしていたりと、これまた日本では絶対に出会ってないだろうし、話すこともなかっただろうなって思う出会いで、人生のお手本にしたいくらい素敵な人達ばかりなのです。そんな人達と過ごした思い出は、自分の人生を彩ってくれるし、世界中に「また会いたいなぁ」とか「元気でいて欲しいな」とか思える人達が増えて行くのが幸せだし、日本の日常の中でまた辛い事やうまくいかない事とかがあっても、出会った人達の笑顔を思い出したり、世界は広くて、色んな人がいて、色んな考え方があるって事を知っているだけで、なんだかまた頑張れる気がします。良い事も悪い事も、現地に行かなくては知らなかったって事が多いし、旅からは、受け取れることがたくさんあるからです。旅の中で出会った旅友が言っていたのですが、「旅は、辛い事も全部プラスになって返ってくるよ」って、本当にその通りだなと思います。一生、旅人でいたいなぁと思います。